未来の幅

「未来には幅がある」

最近のお気に入りのフレーズです。

「緩和ケアの魔法の言葉」に、ふくしま在宅緩和ケアクリニックの橋本孝太郎先生が、この言葉を魔法の言葉として紹介していました。一部を抜粋して紹介しますね(引用元:『緩和ケアの魔法の言葉―どう声をかけたらいいかわからない時の道標』、『緩和ケア』2016年6月増刊号、青海社)。

~以下、引用~

この言葉を使用するシチュエーションとして、バッドニュース(悪い話)を伝える時や、治療についてメリット・デメリットを伝える時、これから先の症状変化についてなど、未来の不確定要素を含む内容を患者・家族とコミュニケーションする場合に、とても有用である。
医療者に限らず、さまざまな職種で使用することができる。

「○○さん、がんを治したい、治りたいというお気持ちはよく分かります。物事にはいい面と悪い面があるように、これからのことには幅がありますよね。私も医師ですが、○○さんの未来のことは100%のことをお伝えすることはできません。
具合が良くなった場合を期待するのはもちろんのことですが、もし、具合が悪くなっていく可能性があるとしたら、それに備えることも必要ではないかと思うのです」
~略~
「そういう可能性ももちろんあります。ですが、未来のことには幅がありますから」

~引用、終わり~

このように、実際に患者さんと会話した内容を交えて解説してありましたので、「うん、うん、そうだよね」って理解が深まりますし、自分がその言葉を使うであろうシチュエーションも想像しやすくなりますね。
そして、もしかすると、これって患者さんだけでなく、自分にも当てはまることなんだなと思えてきたのです。仮に現在から未来へは、一定の角度を持って広がりがあるとします。その角度は、ある人は5度くらいの狭い幅かもしれませんし、別の人は45度とか60度とか、広い方もいるかもしれません(中には、自分の未来は前方180度すべてに広がっているんだという人もいるかもしれませんね)。
それに時間軸を加えて考えてみると、明日は現在からそれほど離れていないので、未来の幅(広がり)が小さいです。つまり、明日はこんな一日になるだろうって、ある程度、予想がつくのではないでしょうか。

そして、その視点を少しずつ未来に移動していくと、

明日よりも1週間後。

1週間後よりも1か月後。

1か月後よりも1年後。

1年後よりも10年後の方が、

明らかに未来の幅が広がっていて、それを予想するのは難しくなってきますね。

そうだとしたら、未来になればなるほど、良いこともあるだろうし、悪いこともあるかもしれない。

それならば、どちらの方に進みたいのか、自分にはそれを選択する自由があると思えてきたのです(患者さんには、良いことを期待しつつ、悪いことにも備える「Hope for the best, and prepare for the worst」というニュアンスで、プラスとマイナスのことを両方とも考えてみましょうと話をするのですけれども、つい自分は物事をポジティブに見る傾向があるために、このような捉え方になってしまいます)。

そんな自分にとっては、
「未来には幅がある」とは、
「今の自分には無限の可能性があるんだ」
と思わせてくれる魔法の言葉のようです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。